看護師が注射する際に上手く針を刺す方法

看護師にとって、注射は手術と同様に人体への侵襲行為であり、緊張感を伴うものです。針を刺す位置を間違えたり、血液が逆流したりして、医療事故になることもあるでしょう。特に、体表に現れていない細い血管や柔らかく動きやすい血管には手を焼く看護師が少なくありません。このような血管は、まず、お湯に浸したタオルを腕に巻いたり、マッサージしたりして温めることにより、膨張させて針を刺しやすくなります。また、針を刺す腕を心臓より下にしてうっ血させると、血管が膨れます。血管を探して弾力性と太さをチェックする際に、血管に指を当てるだけでも膨張させることは可能です。駆血帯を締めれば、血管はうっ血してさらに膨張します。十分膨張したら、血流の良い直線部分を選んで針を素早く刺さなければなりません。ゆっくり刺そうとすると、柔らかい血管は逃げてしまうからです。
採血の場合は、針を刺す時に患者に親指を包み込むようにげんこつを握ってもらいます。針を刺し終わって採血がスムーズに開始されたら、げんこつを強く握り続ける必要はありません。何よりも、患者にリラックスしてもらうことが重要です。患者の名前を確認し、消毒用アルコールのアレルギーの有無を尋ねた後、針を刺す時に緊張感をほぐすよう声かけしましょう。針を刺してからは不用意に身体を動かさないよう指示します。身体を動かすと、針が外れたり、血管を突き通したりするからです。注射を終えたら、駆血帯を外し、5分間は止血するよう申し渡して、ねぎらいの言葉をかけます。